あまり知られていない建築費について

今回は建物のコストについての話になります。坪単価はいくら?とか聞く人が居ますが、これが中々難しい質問です。建築業界の人であれば知っていますが、建物本体価格のみを坪数で割った坪単価や建築総額を坪数で割った坪単価とは大きく異なります。また非常に細かい話ですが、普通坪数とは延べ床面積の事を表すのですが、ある所では施工床面積と表現して玄関ステップの面積、バルコニーの面積など延べ床面積には参入しない面積を入れて坪単価と表現するところもあります。実際の床面積よりも大きく見せて坪単価を割安に見せる手法ですね。これはなかなか見抜くのが難しいです。

建築面積は屋根に柱がついている場合は柱の中心で囲われている面積が算入されます。柱がなければ1m以下は面積に参入されません。この建築面積は税金上非常に影響があるのですね、例えば柱がついている玄関ポーチ、屋上バルコニーなど柱の中心線で囲まれた建築面積は固定資産税の対象となります。税金が課税されます。柱が無く1m以下であれば建築面積に参入されませんので固定資産税評価の対象とはならないのです。

これでわかると思いますが、一般住宅やアパートなどのベランダって奥行き短いですよね?なんでこんなに狭いのだろうと思ったことがあると思いますが1m以内にすることで建築面積に算入されず税金の対象にならないメリットがあるからなのです。玄関ポーチでも柱がついていた方が恰好は良いのですが柱と屋根がついたら建築物となるため課税の対象です。

カーポートも屋根と柱によって成り立っていますので建築面積の対象、固定資産税の対象にもちろんなります。よく建物完成後、税務調査後にカーポートを作って固定資産税対策をしている人がいますがその後の現地調査や航空写真にて見られていますのでその後しっかりと税金の対象となります。税金の取れるところはしっかりと取りますから。

先ほど述べました施工床面積は1mに関係なく算入されていますので、確認申請(本当の申請面積)上の数字と異なっているはずです。もし坪単価にて建物価格が表現されている場合は注意が必要です。坪単価と言っても表現の仕方によって大きく異なるため比較するのは難しいですがおおよその予算は坪単価でしか表現のしようがないので今でも良く坪単価という言葉が使われるのです。

また今後、建物については述べていきますが、真四角の家が一番坪単価が安く、凸凹すればするほど坪単価は上がっていきます。これは意匠性とコストは必ず比例しますので参考までに覚えておいてください。

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